冊子作成入門!知っておくべき5つの基礎知識!

冊子作成入門!知っておくべき5つの基礎知識

写真集やアルバム、小説や自分史、漫画など、個人で冊子の印刷・データ作成を考える人が年々増加しています。

そこで今回は、これから初めての冊子作成・冊子印刷を考えている人に向けて、入門編として必ず知っておくべき5つの基礎知識を紹介します。

  1. 知っておくべき製本方式の種類と選び方
  2. 知っておくべき綴じ方向の選び方
  3. 知っておくべき入門用語
  4. 知っておくべきページの数え方
  5. 知っておくべきデータ作成時の基本ルール
  6. まとめ
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1.知っておくべき製本方式の種類と選び方

製本には上製本(ハードカバー)と並製本(ソフトカバー)がありますが、今回は誰でも気軽に作れる冊子として、「並製本」を前提に一般的な「中綴じ」と「無線綴じ」の2つを紹介します。

綴じ方式により装丁だけでなく、加工特性からデータ作成時の注意点も変わってきます。
自分がどちらを作りたいのかを決める上でも、また、実際にデータ作成を行う上でも、まずは中綴じ冊子と無線綴じ冊子の特徴を知っておきましょう。

参考サイト オンデマンド印刷の冊子印刷サイト「冊子印刷工房」

●中綴じ製本(中綴じ冊子)とは?

中綴じ冊子の特徴は、根元まで開ける事

中綴じとは、冊子を開いた状態の紙(1枚で4ページ分)を重ね合わせて2つ折りにし、
中心部分を針で綴じる方式の冊子で、ページ数は必ず「4の倍数」になります。

中綴じは対応できるページ数に上限あり

しかし、中綴じの場合は「根元まで開ける」というメリットがあります。

例えば、左右のページにまたがる見開きの写真をレイアウトするなど、両ページの根元まで開けるようにしたい場合には、ページ数が少なければ中綴じがオススメです。

なお、ページ数が多い冊子(目安は44ページ以上)になると適しません。

●無線綴じ製本(無線綴じ冊子)とは?

無線綴じ冊子は、ページ数が多い場合に適しているが、ノドが根元まで開けない点に注意が必要。

無線綴じとは、表紙用紙で包むように本文ページを糊付けする綴じ方式の冊子です。
ページ数や用紙厚に応じた幅の背表紙が出来るのが特徴です。

無線綴じは本文の厚みに応じた背表紙ができます

ただし、無線綴じは加工特性上、「ページが根元まで開けない」ので注意が必要です。

そのため、左右のページをまたぐデザインを含め、綴じ部分側の根元付近にある文字・絵柄は見えなくなる可能性を考慮してデータを作る必要があります。

また、ページ数が少ない場合は糊付けできる範囲も少なく弱くなるため、ページ数の多いなど厚みのある冊子に適しています。

2.知っておくべき綴じ方向と選び方

あなたが作成する冊子の内容によって、読みやすい適切な綴じ方向は変わります。
また、綴じ方向によっては左右の配置や並べ順など、データ作成の際にも違いがあります。

出来上がった冊子を手にして後悔しないように、作りたい冊子の内容にはどちらの綴じ方向が適しているのか、予め確認しておきましょう。

●左綴じ・右綴じの選び方

ページを左にめくって進めるのが左綴じ。右にめくって進めるのが右綴じ。

冊子の綴じ方向の選び方は、文字の流れに沿う形にするのが一般的です。

そのため、
・文章や視線が、左から右、上から下に流れるような横書きのレイアウトなら左綴じ
縦書きの文章や漫画など、上から下、右から左に流れるレイアウトなら
右綴じ
にするのが無難といえます。

※絶対にこうでなくてはならないという決まりはありません。

3.知っておくべき入門用語

製本やデータ作成に関する専門用語はとても数が多く、全て覚えるのは大変です。
そこで今回は、これからデータの作成や印刷会社への発注を行うに際して「知らなければ困るような予備知識」のみを抜粋し、「入門用語」として紹介します。

トラブルや混乱を避け、発注やデータ作成をスムーズに進める為にも、以下の用語については必ず覚えておきましょう!

●表1・表2・表3・表4・小口・ノド・天・地・背

一般的に「表紙」や「裏表紙」と呼ばれる表紙周りのページなど、
主に部位等の呼び方に関する用語を紹介します。

部位等でよく使われる基本用語

表1:一般的に「表紙」と呼ばれる先頭ページを指します。(=オモテ表紙)
表2:オモテ表紙である「表1の裏面」、表紙をめくった次のページを指します。
表3:ウラ表紙である「表4の裏側」、裏表紙の手前のページを指します。
表4:一般的に「裏表紙」と呼ばれる最後のページを指します。(=ウラ表紙)

小口見開きにした状態の両端、単ページで綴じ部分の反対側(外側)を指します。
ノド見開きにした状態の中央部分、単ページで綴じ部分側(内側)を指します。
:冊子の体裁の方向でを指します。
:冊子の体裁の方向でを指します。
:無線綴じ冊子の「背表紙」を指します。その幅を「背幅」と呼びます。

●製本サイズ・仕上りサイズ・塗り足し(塗り足しサイズ)

製本サイズ
冊子を作成するに際し、最終的に製本されるサイズのことを「製本サイズ」といいます。

仕上りサイズ
サイズ的には製本サイズと同じですが、主にデータ作成・印刷・断裁など製本されるまでの一連の工程における、データ上や紙面上の「製本サイズにあたる領域(範囲)」を指して「仕上がりサイズ」ともいいます。

※印刷会社では、最初から製本サイズの用紙に印刷する訳ではありません。
原紙と呼ばれるもっと大きな規格の用紙にデータを印刷してから、不要な部分を断裁することでご希望の製本サイズに仕上げるということを覚えておきましょう。

塗り足し(裁ち落とし)・塗り足しサイズ
紙面の端まで絵柄や画像などのデザインがある場合、断裁時の誤差で仕上りサイズ内に白場(下地の紙の色)が出るのを防ぐ為に、作成データはあらかじめ仕上がりサイズよりも一回り大きくしておく必要があります。

その、仕上がりサイズの外側にあらかじめ設ける部分を「塗り足し」または「裁ち落とし」と呼び、仕上りサイズに塗り足しを含めたサイズを「塗り足しサイズ」と呼びます。

仕上りサイズと塗り足しサイズの違い

※印刷会社では、最終的に不要な部分の断裁を経て仕上りサイズにしますが、断裁時の誤差は必ず出てしまうもの、と覚えておきましょう。

●カラーモード(RGBカラー・CMYKカラー)

カラーモード:色の表現方法のことで、RGBやCMYKがあります。
RGBカラー:ディスプレイなど、光で色を再現するカラーモードのことです。
CMYKカラー印刷で再現できるカラーモードのことです。

RGBカラーとCMYKカラーでは、RGBの方が色表現領域が広く、CMYKでは再現できない色領域があるため、印刷用データは予めCMYKで作成しましょう。
(※使用するソフトによっては、カラーモードの変更・指定が出来ないことがあります)

そのため、RGBで作成したデータを印刷する場合は、CMYKで表現できる色に変換して出力されるため、印刷物の色味はディスプレイで見る色よりもくすんだ感じに変化してしまうことを覚えておきましょう。

RGBで作成したデータはCMYKで印刷されることで色味が変化します

※本記事で紹介した用語は、あくまでも最低限の「入門用語」です。
実際のデータ作成や入稿の際に出てくる用語は、別の記事で紹介していきます。

4.知っておくべきページの数え方

印刷会社に注文するには、あなたが希望する製本方式やサイズや用紙の指定、加工の有無、ページ数や部数など、様々な「仕様」を伝える必要があります。

ここでの「ページ数」は、一般に、次の通りの「総ページ数」のことを指します。

表紙周り(表1・表2・表3・表4)+ 本文ページ数 = 総ページ数

ページ数の数え方を間違えると、ご注文内容とデータの数が一致せず、印刷会社との間で確認の手間や修正作業が必要になったり、スムーズな注文が行えないばかりか、納期の遅れなどにも繋がりますので、必ず覚えておきましょう。

なお、ページ数には何も印刷しない「白紙ページ」も含みます。
そのため、ページ毎のデータ(ファイル)数で数えてしまったりすると、白紙ページのデータを作成していない場合にページ数を誤る原因になるので注意が必要です。

ページ数は本文+表紙周りの総ページ数。白紙ページもカウントします

5.知っておくべきデータ作成時の基本ルール

ここでは、冊子印刷のデータ作成で知っておくべき、基本的なルールを紹介します。
なお、中綴じと無線綴じでは、それぞれ異なる注意点もあります。

●仕上りサイズか塗り足しサイズか

印刷会社では、最初から製本サイズ(仕上りサイズ)の用紙に印刷するのではなく、
より大きな紙に印刷してから不要な部分を断裁することで仕上げます。
そして断裁工程では、必ず、若干の誤差が出るものと思ってください。

そのため、あなたの作成するデザイン・レイアウトが、
「白背景」であれば、データは「仕上がりサイズ」で作成しても構いません。

ただし、もしも紙面の端まで絵柄・写真などがある場合、
いわゆる「フチなし印刷」を希望する場合は、必ず、仕上がりサイズに「塗り足し」を設けた「塗り足しサイズ」でデータを作成する必要があります。

塗り足しは、天地左右にそれぞれ+3mmずつ、つまり縦横で6mmずつ設けるのが一般的ですが、印刷会社によって異なる場合もあるので、事前に確認しておくと良いでしょう。

また、見切れてしまうと困る文字や絵柄は、仕上がりサイズよりも5mm以上内側に配置するようにしましょう。

紙面の端まで色や絵柄がある場合は、塗り足しサイズで作成すること

※なお、データ作成する時に「塗り足し」を理解・対応していないと、印刷会社で返されてしまうか、或いはそのまま印刷され、下例のように不本意な仕上がりになってしまう恐れがありますので必ず覚えておきましょう。

データサイズのオブジェクト位置に注意

●単ページか見開きか

各ページのデータを、単ページで作成するのか見開きで作成するのかで、
作成するデータのサイズが変わってきます。
特に、無線綴じの表紙の見開きは「背幅」も必要になるので覚えておきましょう。

単ページ・見開き・無線綴じ表紙では作成サイズが変わるのことに注意

また、見開きで作成する場合、本文ページの順番は、左綴じなら左から、右綴じなら右から並べる形になりますが、表紙に関しては、表1と表4の左右の位置が本文とは逆になる点に注意が必要です。

表紙の見開きは左右の配置が本文と逆

なお、単ページの場合は表1・表2・本文・表3・表4と別々に作成すればOKですが、
見開きで作成する場合の全体の並べかたは、次のようになります。

見開きで作成する場合のページの並べ方

●中綴じ冊子の小口・ノド付近のレイアウト

中綴じの場合は、紙の厚さとページ数にもよりますが、全体が厚くなるにしたがって、
小口側に配置された文字や写真が欠けてしまう可能性が出てきます。

これを避けるため、データ作成時は文字や写真などを配置する際、小口側の仕上り位置より5mm以上内側に、出来れば10mm以上の余裕をもたせてレイアウトするようにしましょう

中綴じは重ねた用紙を2つ折りにするため、厚くなるほど小口側の断裁位置に差が生まれる。

また、根元まで開けるのでノドに大きな余白は不要ですが、製本工程における誤差や用紙厚に伴う若干のズレは生じますので、ページをまたぐような文字の配置は避けましょう。

中綴じでもページをまたぐような文字の配置はさける

●無線綴じ冊子のノド付近のレイアウト

無線綴じの場合は、ページが根元まで完全には開かないため、ページ数が多い場合は特に、ノド付近の文字や絵柄が見えなくなってしまわぬように注意が必要です。

そのため、見えないと困る文字や図は、ノド側の仕上がり位置より15mm~20mm以上内側に配置するなど、十分な余白や余裕をもたせてレイアウトするようにしましょう。

※根元の開き具合に関しては、ページ数や紙の厚さ、サイズでも開き方に差が出ますが、冊子が厚くなるほどに隠れる部分が大きくなると覚えておきましょう。

無線綴じのノドは見えない部分が出る

また、文字中心の冊子や必ず読ませたい文字をレイアウトする場合、全体の読みやすさやバランスを考慮し 、小口・ノドともに 20mm以上、余裕をもたせるのがおススメです。

読みやすいレイアウトにするには、適切な余白を設けること

※具体的なデータ処理の方法や入稿時の注意点など、もっと詳しく知りたい方は、ソフト別などで説明している他の記事も併せてご覧ください。

6.まとめ

いかがでしたでしょうか?
本記事では、これから冊子作成・冊子印刷をしようと考えている方が、困ることなく作成・印刷できるための入門編として、「知っておくべき5つの基礎知識」を紹介しました。

5つの基礎知識とは、以下の通りです。

・中綴じと無線綴じの製本方式の違いと特徴
・内容に応じた適切な綴じ方向の選び方
・作成や発注の時に困らない為の入門用語
・冊子作成で使われるページの数え方・呼び方
・データを作成する時の基本的なルール

以上の5項目を知っておけば、ほぼ困ることなく作業を進められると思いますので、
自分だけの冊子印刷・冊子作成に向けて、是非チャレンジしてみてください!

※実際にソフトを使っての具体的なデータ処理の方法や、データ入稿時の注意点などを知りたい方は、こちらの記事もチェックしてみてください。

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